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ニホンウナギの産卵場の深層流を調べる実験が行われました!
宮崎県の「国際うなぎLAB」(略称:イーラボ;e−lab)で、去る3月10日、11日の2日間に亘り、塚本勝巳所長(日本大学生物資源科学部)による初の本格的実験が行われました。今回の実験は、ウナギの産卵地点と海底の深層流が何らかの関係をもっているのではないかという仮説に基づき、海底の深層流がどのように流れ動いているのかを検証しようというものでした。イーラボに展示されているマリアナ海溝や西マリアナ海嶺を精巧に再現した産卵場のジオラマを使って、ドライアイスの蒸気を流し込み、煙がどのような方向に流れ、山や谷をどのように昇っていくのか、流れの勢いにどういった変化があるのか、渦はどういった地形で発生するのかといった詳細な実験を繰り返し何回もテストしました。今後、実験結果が分析され詳細な深層流の流れが判明するものと期待されます。塚本所長は、今年の5月から約3週間の産卵場の調査に向いますが、今回の実験によって調査に先立ち産卵ポイントを絞り込む上で貴重なヒントが得られたと語っています。またうまくいけば人類史上これまで誰も見たことのないウナギの産卵シーンに出会うことが出来るかも知れないと目を輝かせました。次期航海への期待を胸に、イーラボを後にしました。(文責:田中義久)
[2015年03月14日]