世界ウナギシンポジウム宮崎大会

アイルランドにおけるウナギの資源保全:外来寄生虫,持続不可能な漁業および水力発電ダム
キーワード:ヨーロッパウナギ 外来寄生虫 漁業管理 水力発電ダム

Kieran Mc Carthy(トーマス・マッカッシー) 国籍:アイルランド 性別:男

ヨーロッパの他国に比較していくらか遅れているとはいえ,加入の減少とその他の要因によってアイルランドのウナギは減少している。陸水のウナギに対しては,黄ウナギおよび銀ウナギの双方に対して,伝統的に商業的搾取が行われている。以前は,クロコの放流によって搾取を受けたウナギ資源の一部を補っていたが,一般的に言って,もはやこの方法は効果的ではない。したがって多くの漁業はもはや持続可能ではなくなったと考えられている。限られた範囲の中での試みがここ数年行われているウナギの人工種苗生産についても,現在のアイルランドにおいて経済的な実現性があるとはとらえられていない。さらに,ウナギ資源に対する外来寄生虫Angillicola crassusの影響が強まっており,また,いくつもの大河川において,銀ウナギは降河の際水力発電ダムやその他の障壁を乗り越える必要がある。地域レベルの資源管理では銀ウナギの降河の成功が目標とされているのに対して,現在準備が進みつつある国のウナギ管理計画では,ウナギ資源をヨーロッパレベルにまで回復させることを目的としている。外来の病原体からウナギを守ること,漁獲に制限をかけること,ウナギの回遊を手助けすること,および水力発電所のタービンによるウナギの死亡を減少させることが新しい方策として用いられるだろう。

Kieran Mc Carthy(トーマス・マッカッシー)プロフィール

国立アイルランド大学の教授でウナギ寄生虫学の第一人者。

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